コラム
水稲圃場の異型株調査に ~イネ葉による品種判別検査(DNA鑑定)の選び方~
2026年6月26日更新
■異型株とDNA検査
夏の初めから収穫期の秋にかけて、水稲の圃場では「単一品種のはずなのに、この株だけ出穂が早い/遅い、成長の度合いが違う」という問題が発生することがあります。
このようなケースで疑われるのが、種子や圃場での「他品種の混入」。単なる個体差であればよいのですが、万一別の品種が混入していた場合、後々表示違反などの問題につながることもあるため、適切な対応が必要です。
ここで、力を発揮するのがDNA検査。品種に間違いがないか、仮に違うとしたら何の品種なのか・・・など、原因究明のためにお役立ていただいています。

■問題解決につながるイネ葉品種判別検査の選び方
検査の依頼先を選ぶポイントとしては下記の2点です。
その1 「葉」での受付が可能かどうか
DNA検査は、籾や玄米、精米等で行われることが多いですが、今回のような異型株調査に適している試料は「葉」です。
逆に、穂の部分での検査は、正直お勧めいたしておりません。
というもの、未熟な穂では、十分なDNAが確保できない可能性がありますし、他の品種の花粉が受粉していることもあり得るからです。
一方、葉であれば、穂で検査を実施するときのような問題は起こりませんし、問題が発覚した段階で検査ができるので、早期解決も可能です。
したがって、「葉」での検査が可能かどうかが、依頼先を選ぶポイントの1つとなります。
その2 データベースの質と量
特に異型株調査を目的とする場合に最も避けたいことが、品種の特定ができないことです。
その可能性をできるだけなくすには、比較対照のための母集団の数(データベースへの登録品種数)が必要です。
そして、データベースの質と量が影響するもう一つのポイントが、「相互識別力」。お互いを見分ける能力です。
品種判別の判定基準は、
(1)対象品種の原種DNAデータと同一かどうか(同一性)
(2)対象品種以外の品種DNAデータと一致しないかどうか(排他性)
を同時に満たすこととしています。
つまり、Aという品種がAであると判断するには、「Aと同じである」ということだけでなく「A以外のいずれの品種とも一致しない」ことを確認する必要があります。
そして、後者ではより多くの品種(数品種よりも数百品種)と見分けられる方が、より高度な技術が必要となり、そこから導き出された検査結果もより高精度なものとなります。
★データベースの規模と検査精度の関連性については、こちらのページで詳しく解説しています。
弊社では、登録数677品種の米DNAデータベースに基づくイネ葉の米品種判別検査を提供しています。
詳細につきましては、米品種判別検査(DNA鑑定)のページをご覧ください。
■ご依頼方法
下記の手順で検査試料をご準備ください。
1.10cm程度の葉(できるだけフレッシュなもの)を2~3枚程度準備する。
2.軽く湿らせたキッチンペーパー等に葉を包む。
3.チャック付きの袋に入れ、空気を抜いてしっかり封を閉じる。
4.ご依頼方法のページで、米品種判別検査(イネ葉・銘柄不明品)の検査依頼書を準備する。
5.イネ葉と検査依頼書をあわせて、冷蔵便※にて弊社まで送付
【送付先】
〒839-0864 福岡県久留米市百年公園1-1久留米リサーチセンタービル1F
ビジョンバイオ株式会社 TEL:0942-36-3100
※腐敗した試料では検査ができませんので、冷蔵便をお勧めいたしております。