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コラム

食品の異物検査で失敗しないために|検査を始める前に確認すべき3つのポイント

2026年8月17日

食品への異物混入は、品質管理担当者にとって避けて通れない課題です。

しかし、「すぐに検査へ出そう」と考えてしまうと、十分な情報が得られず、原因究明に時間がかかるケースもあります。

異物検査で重要なのは、分析技術・検査方法そのものよりも事前準備です。

今回は、異物検査を成功させるための進め方をご紹介します。

なぜ異物検査は事前準備が重要なのか

異物検査には、

  • 顕微鏡観察
  • 呈色試験
  • FT-IR
  • EDX(EPMA)
  • DNA同定検査

など、さまざまな方法があります。

しかし、どの検査が適切かは、異物の種類や性質によって異なります。

また、異物は数mm程度しかないことも多く、一度実施した検査によって試料を消費してしまう場合もあります。

だからこそ、検査前の情報整理が問題解決の第一歩になります。

STEP1 発生状況の確認と試料の記録

まず確認したいのは、

  • いつ発見されたか
  • どこで発見されたか
  • 製品情報
  • 原材料
  • 製造ロット
  • 流通状況

です。

消費者やお取引先等からのお申し出(クレーム)案件の場合は、

「何を明らかにしたいのか」「どのような不安をお持ちなのか」まで整理しておくと、その後の調査がスムーズです。

そのため、必要に応じて、営業担当者やお客様相談窓口の担当者等とも連携し、情報収集を進めます。

画像は、異物の数や付着位置など受領時の状態が分かる写真と、

形状・大きさ・色調が分かるよう、スケールを添えて拡大撮影した写真の両方を残しておくと、

報告書やレポートの作成にも役立ちます。

STEP2 試料を正しく保管する

腐敗や変色、破損などがないよう、異物を適切に保管・管理します。

これが不十分では、その後の検査に支障をきたすことがあるため、注意が必要です。

ポイントは、下記の通りです。

・容器

比較的簡便でお勧めの方法は、異物を小さなチャック付袋に入れ、それをシャーレに入れ、それをまたチャック袋に入れるというものです。

静電気が気になる場合には、紙などを一緒に入れて保管することをお勧めします。

なお、「テープで貼り付け、固定して保管する」は厳禁です。

検体の破損や粘着剤の付着など、検査に影響を及ぼすことがありますので、絶対に行わないでください。

・温度帯

原則として冷凍保存を行い、冷凍で変質する可能性がある場合は、冷蔵保管をするようにします。

食品の付着がない樹脂や金属は、常温保存でも問題ありません。

STEP3 課題を明確にする

事前準備の最終ステップとして、検査を行う上での課題を検討します。

STEP1で収集した発生状況、製品履歴などの情報をもとに、原因や改善のポイントを検討します。

また、消費者や取引先の要望を考慮しながら、問題解決につながる方法を探ります。

ケーススタディ:実際の異物混入ではどう進める?

例えば、「製品から食品ではない硬質のものが見つかった。プラスチックではないか」という事案を考えてみましょう。

まず、お申し出の内容を整理します。

  • 対象の製品は鶏肉を使用している加工食品
  • 購入後に自宅で加熱調理を行い、喫食中に発見された
  • 硬く、見た目は白っぽいもの

このクレームを受けて、まず製造工程での混入を疑い、工場を確認しました。

その結果、機器や器具類の破損はなく、お申し出品のようなプラスチックの使用もありませんでした。

これらの情報をもとに、下記の可能性を検討しました。

  • 鶏肉に由来する骨片が、何らかの要因で混入した
  • お客様の調理中に混入した
  • プラスチック片であることを、完全に否定することはできない

そこで、まず「骨なのか、プラスチックなのか」 のスクリーニングを行い、

  • 骨であればDNA検査
  • プラスチックならFT-IR

という流れで調査を進めることにしました。

まとめ

病気の診断をする際に問診を行うのと同じように、混入異物発生時にも事前の情報収集や準備が重要な役割を果たします。

  • 情報収集
  • 試料管理
  • 課題整理

この3つが揃って初めて、原因究明につながる異物検査を実施できます。

次回は、実際にどのような検査方法があり、どのように使い分けるのかをご紹介します。

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