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コラム

DNA同定検査とは?表示確認や異物同定に活用されるDNA解析技術を解説

2026年7月31日

食品の表示確認や原材料の真正性評価、さらには異物混入の原因究明まで。近年、さまざまな場面で活用が広がっているのがDNA同定検査です。

ビジョンバイオでは、次世代シーケンサー(NGS)を用いたDNA解析により、微生物から植物、動物まで31万種以上を対象とした生物種の同定を行っています。

本記事では、DNA同定検査でできることや活用事例、よくあるご質問についてご紹介します。

DNA同定検査とは

DNA同定検査とは、試料に含まれるDNA配列を解析し、生物種を特定する検査です。

対象は、植物、動物、魚介類、微生物など幅広く、次のような用途でご利用いただいています。

  • 原材料や製品の表示確認
  • 原材料の真正性確認
  • 混入異物の生物種同定
  • 微生物やキノコの種類の確認

当社では次世代シーケンサーを用いることで、多数のDNA配列を同時に解析し、複雑な試料にも対応しています。

DNA同定検査の主な活用用途

1.表示適正・真正性の確認

食品や原材料が表示どおりの生物種であることを確認する目的で利用されています。

従来は、

・シバエビとバナメイエビ

・ズワイガニとベニズワイガニ

のように、外観では判別しにくく価格差のある原材料の確認依頼が多く見られました。

近年では、

・原料の調達先を変更する際の確認

・新規サプライヤーから購入した原料が従来品と同一かどうかの確認

といったサプライチェーン管理を目的としたご相談も増えています。

2.異物の同定

植物片、骨、昆虫、カビ、細菌など、混入した異物がどの生物に由来するのかを調べる検査です。

例えば、

・異物か夾雑物か判断したい

・混入経路を推定したい

・特定原材料(食物アレルゲン)に該当するか確認したい

といったケースで活用されています。

異物の種類が判明することで、混入原因の調査や再発防止につながります。

加工食品や微小な試料でも検査可能

DNA同定検査の大きな特長は、試料の状態を問わず検査できることです。
例えば、

・加工されたもの
・破損した昆虫
・骨片
・血液などの残渣

からでもDNAが残っていれば解析できる可能性があります。
検査の目安は1cm程度の組織片ですが、DNAの保存状態が良好であれば、数mm程度の試料から同定できた事例もあります。

活用事例

事例1 原料(生薬)のDNA検査をカスタマイズ

あるお客様では、原料の安定調達を目的に、新たな産地からの仕入れを検討されていました。

「現在使用している原料と同じものかをDNAで確認したい」というご要望でしたが、通常の検査では属や科までしか判定できず、ご希望の精度には対応できませんでした。

そこで、文献調査や解析手法の検証を行い、お客様の目的に合わせた検査法を新たに構築。必要な判定精度で評価できる検査をご提供しました。

事例2 混入植物の種類から混入経路を推定

食品に葉と種子が混入した事例です。
DNA同定検査の結果、どちらもハゼノキであることが判明しました。
さらに、お客様の工場周辺にはハゼノキが自生していないことから、工場内ではなく、原料調達以前の段階で混入した可能性が高いと推定されました。
DNA同定検査では混入場所を直接特定することはできませんが、生物種が判明することで、混入経路を推定する重要な手掛かりとなる場合があります。

よくある質問

Q1. DNA同定検査ではどこまで分かりますか?

DNA同定検査では、基本的に生物種(Species)の同定を目的としています。
一方で、

• 品種
• 亜種
• 変種
• 生息地域
• 交雑種かどうか

といった判別はできません。
また、DNA配列の違いが非常に小さい生物同士では、「○○属の一種」「○○科の一種」という結果になることがあります。

Q2. 次世代シーケンサー(NGS)を用いるメリットは?

異物同定では、異物以外のDNAが混在していることが少なくありません。

例えば、食品中に混入した異物には、食品由来のDNAが付着・浸透している場合があります。

次世代シーケンサーでは、複数のDNA配列を区別して解析できるため、異物由来のDNAを選択して同定できる可能性があります。

ただし、食品由来DNAと異物由来DNAを明確に区別できないケースもあり、試料の状態によっては判定が難しい場合があります。

Q3. 魚介類DNA判別検査と動物DNA同定検査の違いは?

両者の違いは、解析に用いるデータベースの範囲です。

  • 魚介類DNA判別検査:対象魚種を限定して判別
  • 動物DNA同定検査:幅広い動物種を対象に解析

例えばイカ類では、魚介類DNA判別検査では9種を対象としていますが、動物DNA同定検査では22種まで対象が広がります。

そのため、「どの生物種まで判別したいか」に応じて検査方法を選択することが重要です。適切な検査サービスが分からない場合は、お気軽にご相談ください。

まとめ

DNA同定検査は、食品表示の確認や原材料の真正性評価だけでなく、異物混入の原因究明や品質管理にも役立つ検査です。

弊社では、お客様の目的や試料の状態に応じて最適な検査方法をご提案しています。

「この試料で検査できるだろうか」「どの検査を選べばよいか分からない」といった場合も、お気軽にお問い合わせください。