異物鑑定団®

混入異物のスクリーニング用試薬キットです。お手元で、異物の大まかな分類を行うことができます。

異物鑑定団®

製品の特徴

本キットは、食品、工業製品、化成品等の製品から発見された異物について、大まかな分類と加熱状態を簡便に判別できる試薬のセットです。

ご発注の際は、弊社専用のご発注書フォーマットをご利用ください。

  1. 機器分析では曖昧になりがちな生物系異物を簡便に分類/本キットは、製品混入異物を分析する際の呈色試験用に開発された試薬のセットです。FTIRやEDXといった機器分析では曖昧な結果になりがちな肉、植物片、骨、木片も簡便にスクリーニングができます。
  2. 試薬類の調製により、保管および管理の簡便化を実現/従来、異物検査の呈色試験では毒劇法の規制対象物質を保有する必要がありました。本キットでは試薬類は全て調製済みであり、法律上の毒物および劇物の定義から外れますので、保管および管理が容易になります。
  3. 同封の「サポートシート」や「技術セミナー」で、技術的な課題もサポート/呈色試薬セットには、代表的な異物に関する各試薬の反応性をまとめた「サポートシート」が添付されており、分析結果と照らし合わせることで異物の分類が可能になっています。また、技能の習得や習熟度の確認・証明を目的とした「異物鑑定団 技術セミナー」「異物検査スペシャリスト検定」(主催:一般社団法人 検査技能検定協会)や、検査員のトレーニングや精度確認にご利用可能な「異物鑑定団 異物検査トレーニング用試料セット」などで、技術的な課題もサポートします。

一般社団法人 検査技能検定協会HP

製品案内

異物鑑定団® 呈色試薬セット

異物のスクリーニング検査に使用される一般的な6種類の試薬をセットにした検査キットです。各試薬の反応性をまとめた「異物分類サポートシート」をもとに、異物の種類を判定します。

試薬名 陽性(+)となるもの
タンパク質判定試薬 肉、軟骨、卵、乳製品、大豆、麦類 など
デンプン質判定試薬 米、麦、コーンスターチ、一部の紙類、一部の糊 など
木化組織判定試薬 木の枝、割り箸、籾殻、一部の野菜 など
植物繊維判定試薬 植物の葉、茎、根、一部の紙類 など
骨組織判定試薬 骨片、卵殻、貝殻、一部の金属 など
カタラーゼ反応試薬 未加熱の動物組織片 など

異物鑑定団® 血痕判別試薬

ロイコマラカイトグリーン法により、ヒトを含む動物の血液痕を判別するための試薬です。本法はルミノール反応より偽陽性が少なく、法科学的用途でも使用される信頼のおける方法です。

ルミノール反応について
科捜研をはじめ信頼ある検査機関では、目に見える血痕に対してルミノール反応を確認するようなことは行いません。何故ならば「ルミノール反応」は、拭き取り処理等を行ったため目に見えなくなってしまった血痕があった場所を推察するためのものだからです。
目視で血痕が疑われるレベルに顕在化している班痕や汚れに対してルミノール反応を行うことは、正式な法科学検査を阻害し、本来の正しい結果を導けなくなるリスクを増大させてしまいます。

異物鑑定団® 異物検査トレーニング用試料セット

異物鑑定団を構成する6種類の試薬それぞれに対して、陽性/陰性を示す試料のセットです。検査員のトレーニングや日々の精度管理などに最適です。

ご利用例

  • 分析担当者の技量評価や精度管理ツールとして
  • 社内研修・勉強会などで使用するテストサンプルとして
  • 試薬の性能確認のため
  • 検査結果の客観性担保のため(陽性/陰性対照としての利用)

事例紹介

使用例

半透明の硬質な異物が「原料畜肉由来の骨」か「樹脂片」かを判断したい。
小さな球状の異物が「植物のタネ」か「石」かを判断したい。

導入事例

お客様のお申し出案件にできるだけ早く対応するために、検査体制を構築。外観観察だけでなく、呈色反応による客観的な結果を合わせた説明が可能になったことで、お客様が納得されるケースが多くなった。また、さらに追加の分析が必要になったとしても、外部機関に委託する時間を待っていただけるようになった。

構成内容

異物鑑定団® 呈色試薬セット異物鑑定団® 呈色試薬セット
タンパク質判定試薬 0.5mL
デンプン質判定試薬 0.5mL
木化組織判定試薬 0.5mL
植物繊維判定試薬 0.5mL
骨組織判定試薬 0.5mL
カタラーゼ反応試薬 0.5mL
取扱説明書
異物分析実施記録用紙
異物分類サポートシート
異物鑑定団® 血痕判別試薬セット異物鑑定団® 血痕判別試薬セット
A液(基質液) 2.0mL
B液(発色液) 2.5mL
T液(転写液) 3.0mL
サンプリング用綿棒 30本
試験台紙 40枚
取扱説明書
異物鑑定団® 異物検査トレーニング試料セット
タンパク質 陽性(+)/陰性(ー)試料 各5片
デンプン質 陽性(+)/陰性(ー)試料 各5片
木化組織 陽性(+)/陰性(ー)試料 各5片
植物繊維 陽性(+)/陰性(ー)試料 各5片
骨組織 陽性(+)/陰性(ー)試料 各5片
カタラーゼ反応 陽性(+)/陰性(ー)試料 各5片
取扱説明書

使用する際は、使用者の安全のため、また、試薬類が外来物質から汚染されるのを防止するため、白衣や作業服、樹脂手袋、マスク、保護メガネの装着などの防護策を講じてください。
作業するスペースは、実験用作業台など耐酸性のある材質の場所を用意してください。また、使用者の安全のため、試験実施場所は換気可能で、かつ空調設備などの風が直接あたらないようにしてください。

価格

製品をご購入の際は、メールフォームからのご連絡、もしくは検査試薬発注書のFAXをお願いします。

製品名 定価(税別) 容量 カタログ番号
異物鑑定団® 呈色試薬セット 30,000円 およそ25反応分 04-0010
異物鑑定団® 血痕判別試薬 30,000円 およそ40反応分 04-0110
異物鑑定団® 異物検査トレーニング用試料セット 18,000円 計60本 04-1010

別途、送料が常温便1,000円(税別)、冷凍便1,500円(税別)かかります。
本キット以外に必要な機器につきましては、「その他必要な機器・試薬」をご覧ください。
使用期限は、製造日より12ヵ月です。
料金は全て税別価格です。上記料金に別途消費税が加算されます。
ここに記載されている価格は、2018年03月現在の希望小売価格です。
予告なく価格、仕様、構成などが変更される場合がありますので、予めご了承ください。

関連サービス

製品名 定価(税別) 内容
異物鑑定団技術セミナー
(オンライン型)
40,000円 ・異物鑑定団(呈色試薬セット)1キット
・受講教材セット2名分
・Webコンテンツ配信1か月

異物鑑定団技術セミナー(オンライン型)の詳細は、一般社団法人 検査技能検定協会をご覧ください。

その他必要な機器・試薬

異物鑑定団®を使用するためには、下記の機器類が必要となります。

本キットを使うために必要な機器・器具
マイクロピペット(10〜100µl用) ピペットチップ スライドガラス※1
精密ピンセット ライター※2

※1異物検体を載せる耐熱性のもの。 ※2加熱を行えるもの。
血痕判別試薬を使用する際には、マイクロピペット、スライドガラス、ライターは必要ありません。

異物分析のために推奨する機器・器具、試薬※3
デジタルマイクロスコープ、または光学顕微鏡等の拡大観察のための機器 デジタルカメラ
定規 メス刃またはカミソリ刃 消毒用エタノール

※3異物分析には、本キットによる呈色試験だけでなく、外観観察や燃焼性試験などの物理的性質についての分析も必要となります。それらに必要な機器・器具、試薬類です。

必要な機器・試薬につきましては、別途お問い合わせください。
必要機器、推奨機器の購入をご検討の際は、弊社営業部までお問い合わせください。

体験セミナー/実地研修サービス

内容 異物鑑定団® 技術セミナー
「異物鑑定団® 呈色試薬セット」を用いた異物分析の進め方やコツ、ノウハウを身につけていただく実践的なセミナーです。「オンライン型」「会場参加型」「講師派遣型」の3つのタイプから、環境やご希望にあった受講形式を選べます。
開催日程(会場参加型) 日程につきましては、お問い合わせください。
料金 オンライン型
(受講人数2名)
40,000円
(異物鑑定団1キット、教材セット2名分含む)
会場参加型
(受講人数1名)
キットつき30,000円、キットなし15,000円
講師派遣型
(受講人数4名)
90,000円
開催場所によっては、別途、交通費等の諸経費がかかります。
お申し込み お申し込みの際は、①希望会場・日時、②会社名、③部署名、④役職、⑤参加者名、⑥住所、⑦連絡先(電話、FAX、メールアドレス)を記載の上、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
異物検査スペシャリスト検定について 食品・工業製品などの品質保証・品質管理に携わる方、将来それらの業務に携わりたい方に欠かせない、異物検査の実用的な検査知識・技能についての検定試験です。
開催日程につきましては、こちらよりご確認ください。

「異物鑑定団技術セミナー」は、一般社団法人 検査技能検定協会からの委託により、当社が運営を行っております。

よくある質問

Q1.検査に必要な機器や器具がないため購入を検討しています。機器類の取扱いはありますか?

これから検査体制を構築したいというお客様には、必要機器の紹介なども行っております。お気軽にご相談ください。
なお、血痕判別試薬については、マイクロピペット、チップ、スライドガラス等は不要で、簡便にご使用いただけます。

Q2.このキットは、検査・分析の経験がない担当者でも利用できますか?

このキットは、品質管理ご担当者を対象にした内容となっております。ご利用いただくには試薬の取り扱いについての基本的な知識やピペットの操作が必要になります。実験や検査・分析の経験のある方なら決して難しいキットではありませんが、実務経験のない方は、当社の実地研修サービスや体験セミナー(2016年08月以降開催)の受講をおすすめしています。

Q3.試薬ごとに購入することは可能でしょうか。

弊社営業部までお問い合わせください。

Q4.「異物検査トレーニング用試料セット」は「異物鑑定団」の利用がなくても購入できますか?

可能です。試薬の性能確認や、判定時の陽性/陰性対象として、精度管理や担当者の技量確認などに、ぜひお役立てください。

判別検査の流れ

本キットを使用した異物検査の例

  1. 受領試料の記録/発生状況を確認し、試料の写真を撮ります。
  2. 外観観察/物性確認/形態的特徴(形状、色調等)を観察し、必要な場合、一部を切り出して水溶性や燃焼性の確認を行います。
  3. 呈色試験/生化学試験/試料の一部を切り出して本キットの試薬による判定試験を実施します。
  4. 結果解析/Step2およびStep3の結果を総合して試料の大まかな性状を決定します。

ISO/IEC 17025 認定試験所